ボランティアによる有償旅客運送「さんぽくん」。雨が降る中、ボランティアの運転手が利用者に傘をさしかける=村上市中浜
ボランティアによる有償旅客運送「さんぽくん」。雨が降る中、ボランティアの運転手が利用者に傘をさしかける=村上市中浜

 山形県境の町、新潟県村上市山北地区では、自家用車による有償のボランティアタクシー「さんぽくん」が1年間の実証実験を経て、10月から本格運行に切り替わった。地区ではタクシーの廃業やバス路線の見直しが相次ぐ。公共交通の「空白域」をカバーするため、NPO法人が住民ボランティアの手を借りて運営する。1年間で利用は5倍近く増え、関係者の予想を大幅に上回った。一方で、将来的にさらなる人口減が予想される中、運転手の確保など課題も浮かぶ。(村上支局長・土田潤)

 10月下旬、国道7号沿いの中浜集落の女性(85)の自宅前に有償運送車両のステッカーを貼った乗用車が止まった。運転手が雨の中、傘を差しかけ、車へと誘導...

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