石破茂首相とトランプ米大統領の日米首脳会談で、北朝鮮による拉致問題1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。の即時解決を目指すことで両首脳が一致したことを受け、拉致被害者家族らは2月8日、トランプ氏が前回在任時に米朝首脳会談を実現させた実績を踏まえ、拉致問題の解決に向けた現状打開に期待を寄せた。

 新潟市で北朝鮮によって拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の弟で拉致被害者家族会代表の拓也さん(56)は、「日米会談で拉致問題解決の必要性を表明し、米国の支持を得られたことは良かった」と受け止めた。日米が歩調を合わせ、被害者の親世代が健在なうちの早期解決を石破政権に求めた。

 トランプ氏は1期目に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記と3度対面会談した。めぐみさんの母早紀江さん(89)は、「トランプさんはいろんな形で上手に話をする。向こう(の金氏)も話しやすいのではないか」とみる。今後の米朝交渉も見込まれる中、「(石破首相がトランプ氏に)信頼してもらい、拉致の話ができるようになってほしい」と期待した。

 北朝鮮に拉致された可能性が排除できない特定失踪者、大沢孝司さん=失踪当時(27)、新潟市西蒲区出身=の兄昭一さん(88)は「首脳会談で取り上げてもらえれば、拉致問題が進むきっかけになる。...

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