全国各地の消防本部や消防署で2023年度に暴力や性的嫌がらせなどハラスメント行為が少なくとも176件発生し、幹部級を含む206人が懲戒処分されていたことが2月16日、総務省消防庁による初の実態調査で分かった。有識者は、多発の背景に厳しい上下関係や階級制など特殊な職場環境があると指摘。放置すれば人材確保が一層難しくなり、地域の防災力低下につながる恐れもある。再発防止に向け、同庁は研修強化など対策を呼びかける通知を出した。

 各地の消防でハラスメントが相次ぎ、同庁は24年7〜8月、全都道府県の担当部署に23年度の実態報告を求めた。

 集計結果によると、...

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