
見つかった犬田卯の未発表小説「木崎村」の草稿(日本近代文学館提供)
1920年代に旧木崎村(現新潟市北区)で起き、日本の代表的な小作争議に数えられる木崎争議1922〜30年、旧木崎村で起きた小作料減免要求に始まる農民運動。多くの社会運動家や文化人が参加し、日本の代表的小作争議に数えられる。(※ページ下部に詳細)を描いた、農民文学作家の犬田卯(しげる)(1891〜1957年)の未発表長編小説「木崎村」の草稿が見つかった。作品についての論文をこのほど発表した文教大名誉教授の江種(えぐさ)満子さん(84)は「小作争議の全体像をリアルに、インパクトのある“絵”として表現しており、日本の農民文学史で貴重な位置を占める作品だ」としている。
犬田は、部落差別を扱ったベストセラー「橋のない川」で知られる作家住井すゑの夫。文学による農民解放を目指す農民文学運動を推進した。
草稿は...
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