新潟市出身の鉄道カメラマン小竹直人さんが、テーマごとに自身の鉄道作品を紹介しながら、スマホでもカメラに詳しくなくても、人とは違う心ときめく写真を撮るコツや視点を解説します。今回は、「夜を撮る」がテーマです。難しいイメージの暗い場所での撮影ですが、コツを知れば華やかで幻想的なシーンを切り取れます。

「半水中写真」を撮ろう
イメージして写真を撮ろう
人とは違う「花」を撮ろう
曇りの日は工夫して撮ろう
「雨」を撮ろう

 東武鉄道鬼怒川線の沿線には、「倉ケ崎SL花畑」(栃木県日光市)があり、四季折々の花とSLのコラボレーションを楽しむことができます。秋にコスモスが散ったあとは、花の代わりにイルミネーションが敷地を彩ります。今回は、冬の「倉ケ崎SL花畑」とSLを撮影した3枚を紹介します。

 冬至のころから1月初旬まで、花のない花畑は光の海原と化します。白い煙をまとい走り去って行く夜汽車と光のコラボは幻想的です。イルミネーションの季節は、菜の花やコスモスの時季よりも多くのファンが現地を訪れます。

 もちろん主役はSLですから、正面で撮れる場所に人々は殺到しますが、筆者はSLの後ろ姿を狙いました。正面サイドはSLらしい迫力あるシーンとなりますが、「夜汽車」のイメージとしては煙をたなびかせ走り去る姿の方が、「よりドラマチックでは」と発想しました。

 暗い場所での撮影は、日中とは違う工夫が必要です。暗い場所ではフラッシュを使うとブレずに撮影できますが、...

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