新潟市出身の鉄道カメラマン小竹直人さんが、テーマごとに自身の鉄道作品を紹介しながら、スマホでもカメラに詳しくなくても、人とは違う心ときめく写真を撮るコツや視点を解説します。

こたけ・なおと 1969年、新潟市生まれ。日本写真芸術専門学校卒。写真家。90年から中国蒸気の撮影を始め、中朝国境に関わる鉄道などの取材を続ける。2018~21年、新潟日報文化面で「原初の鉄路」連載。著書に「中朝鉄路写真紀行」、「国境鉄路」など。

  毎日暑い日が続いています。夏とはいえ、この数年の暑さは異常と感じていました。そこで3年前の夏から完全防水のコンパクトデジタルカメラを使うことを思いつきました。

 川や海の浅瀬に入り列車を狙うのです。列車を待つ間、水に浸かっていたなら気持ちがいいのではないか。暑い夏でならではの思いつきでした。炎天下で何時間も列車を待つのも、エアコンをかけたままの車内で過ごすのも身体や環境経済的によくありません。

 筆者の撮影のモットーとしているのは、無理せず楽して楽しむということです。ふとした思いつきから撮影でしたが、面白い写真が撮ることができましたので、ご覧ください。

夏休みに入ると、朝早くから早出川の河原には多くの親子連れの姿が見られました。防水カメラのレンズ部分を半分ほど川面に付けることで川底をクリアに写し込むことができます。半水中写真とでもいいましょうか(磐越西線 五泉-猿和田)

 次の写真は、上の写真を撮った場所でレンズ部分をさらに半分以上水中に入れたショットです。...

残り699文字(全文:1109文字)