新潟市出身の鉄道カメラマン小竹直人さんが、テーマごとに自身の鉄道作品を紹介しながら、スマホでもカメラに詳しくなくても、人とは違う心ときめく写真を撮るコツや視点を解説します。今回は、「花を撮る」です。きれいな花の写真はちまたにあふれていますが、ひと味違う花の生かし方をご紹介します。
「半水中写真」を撮ろう
イメージして写真を撮ろう
東武鉄道鬼怒川線の下今市―鬼怒川温泉(12.4㎞)間では、ほぼ毎日SLが運行されています。観光シーズンの土日ともなれば1日4往復も見られます。
SLは、ほぼフラットな農村風景を通り抜けて行くのですが、沿線には「倉ケ崎SL花畑」(栃木県日光市)があり、10月下旬になるとコスモスが見ごろを迎えます。
季節の花々とSLや電車の組み合わせの写真はよく見られます。車両主体か花主体かで味わいは変わってきますが、今回は車両にピントを合わせて撮影した写真を解説します。

カメラには、「絞り」という機能があります。人間の目の「瞳孔(どうこう)」によく似た働きをします。瞳孔が大きくなったり小さくなったりして、目に入る光を調整しているのと同じように、カメラの絞りもレンズから入る光の量を調節する役割があります。絞りは、レンズの中に丸い穴が開いたり閉じたりするようなイメージです。絞りを開くと...
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