
インタビューに応じる越智敏夫・新潟国際情報大学長
自民党の高市早苗さんが憲政史上で初めての女性首相に選出された。「ガラスの天井を破った」との歓迎の声の一方で、その政治姿勢は選択的夫婦別姓に後ろ向きであるなどジェンダー格差の解消には逆行するとの見方もある。女性首相が生まれた意義や影響をどうみるか。政治学が専門の新潟国際情報大の越智敏夫学長に、今後の政権運営の見通しと合わせて聞いた。
憲政史上で初めての女性首相が生まれた。「男社会」の自民党の中でのし上がった。ガラスの天井を突き破ったのは確かだ。
フェミニズム研究でもよくいわれることだが、いわゆる男社会で女性がのし上がっていく方法は、(1)有力者である父親の娘(2)男性にこび続ける(3)自身が男性的な言動を取り「男になる」-だといわれる。
高市早苗さんは(3)のパターンだ。「私は他の女とは違う」と、安倍晋三元首相や麻生太郎・自民党副総裁の論理を内在化し、保守色の強い男性的な言説や行動でのし上がってきた。
ただ、...
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