海域に設置する風車で大規模な発電が可能な洋上風力発電は、政府が主力電源化を目指し、再生可能エネルギーの「切り札」と位置づける。新潟県の村上市・胎内市沖を含めて、今後各地で導入が進むと必要となるのが、洋上風力産業を支える人材だ。日本風力発電協会の推計によると、全体で必要な人材数は現在の約4千人から2050年には4万8500人になる。中でも、海上で危険を伴う作業を安全にこなす人材確保は、洋上風力の拡大に必須だ。運用や保守に当たる技能者を訓練する国内最大の施設を訪ね、人材育成の現状と展望を探った。(論説編集委員・仲屋淳)

 長崎市の市街地にある長崎港から船で約20分、大きなヤシの木に囲まれた伊王島港(同市)に着いた。

 かつては炭鉱で栄えた伊王島には、洋上風力発電の保守点検作業などに当たる技能者を育成する国内最大の訓練施設がある。

 国内最大といわれる理由は2千平方メートル超の施設総床面積、年間1千人規模の受講者受け入れが可能な点などだ。施設の正式名称は、「日本財団洋上風力人材育成センター」。愛称は「NOA TRAINING(エヌオーエー・トレーニング)」(NOAT)だ。

 NOATは、...

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