毎日の服薬を管理する自宅の薬カレンダーを見る男性=長岡市
毎日の服薬を管理する自宅の薬カレンダーを見る男性=長岡市

 市販薬と成分や効能が似た「OTC類似薬」の患者負担額が2027年3月から引き上げられる方針が本年末に決まった。解熱鎮痛薬や湿布薬、抗アレルギー薬など77成分約1100品目が対象となり、高齢者を中心に日常的に服用、利用する人の負担感が増す。医療費を抑制して現役世代の保険料を軽減する狙いだが、県内では「家計を圧迫する結果にもなりかねない」との見方も出ている。(報道部・桑田実結)

 処方されるOTC類似薬は公的医療保険制度の対象で、薬剤費の1〜3割が自己負担となっている。公定価格のため、製薬会社が価格を設定する市販薬より安く購入できる。

 「医療費を削減しようという考え方そのものがおかしい」。一人暮らしで、毎日薬を服用する長岡市寺泊地区の男性(90)は、...

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