オーエムネットワーク株式会社
~ DX推進の現場に共通する「リテラシーギャップ」の実態と教訓を報告 ~




オーエムネットワーク株式会社(本社:新潟県新潟市中央区、代表取締役:山岸 真也)は、AI経営ツール「R-Board(アールボード)」の開発において、生成AI「Claude Code」をプログラミングの主軸に据えた開発手法を実践し、その成果と課題を「開発秘話」として公開しました。
未経験の技術スタック(React / Python FastAPI)による新規プロダクト開発でありながら、フレームワーク構築をわずか数日で完了させるなど、生成AIによる開発スピードの革新を実証。一方で、AI生成コードの理解やチーム連携において従来にない課題が顕在化しました。
なお、R-Boardのプロダクト設計そのものは、当社が業務システム開発で培ってきた知見をもとに十分な時間をかけて行っており、生成AIはあくまで「実装の手段」として活用しています。
本レポートは、生成AIの業務活用を検討しているDX推進担当者の方々に向け、「導入後に何が起きるか」の実践的な知見を共有するものです。

【背景】DX推進の現場で繰り返される「導入したのに、使いこなせない」問題

当社は先日公開したプレスリリース(※1)において、BIツールを導入したものの十分に活用しきれていない企業が多いという課題に触れました。
「導入はしたものの、結局Excelに戻ってしまった」「ダッシュボードを作ったが、誰も見ていない」――DX推進を担う方であれば、一度は耳にしたことがある声ではないでしょうか。
この課題の根本にあるのは、ツールの性能ではなく「活用リテラシー」の不足です。そして今回、私たちR-Board開発チーム自身が、生成AIという最新ツールの導入現場で、まったく同じ構造の壁に直面しました。
BIツールでも、生成AIでも、RPAでも。ツールの「導入」と「活用」の間にある"リテラシーギャップ"は、DX推進のあらゆる局面に潜む普遍的な課題です。本レポートが、生成AIやDXツール導入を検討されている皆さまの判断材料のひとつになれば幸いです



【実践概要】未経験の技術スタック × Claude Code ― 何を、どう開発したか

R-Boardは、「現場と経営をダッシュボードでつなぐ」をコンセプトに開発を進めているAI経営ツールです。2026年1月にはプロトタイプ版の主要機能が完成し(※2)、データの可視化にとどまらず「次の一手」を言語化するAI分析機能を実現しています。
今回の開発で採用した技術スタックと開発方針は以下の通りです。
・フロントエンド:React
・バックエンド:Python(FastAPI)
・開発方針:「プログラミングはなるべく生成AI(Claude Code)を使用する」
これらは当社にとって初めて扱う言語・フレームワークであり、社内の共通部品やフレームワークも存在しない、ゼロからのスタートでした。フレームワーク自体の構築から着手する必要があり、従来の開発手法であれば数ヶ月単位の立ち上げ期間を見込む規模のプロジェクトです。
ただし、R-Boardの製品コンセプトや機能設計、ユーザー体験の設計については、当社が20年以上にわたり業務システム開発で蓄積してきた業務理解と設計ノウハウを基盤としています。「何をつくるか」の設計は人間が時間をかけて行い、「どうつくるか」の実装を生成AIが加速する。この役割分担が、本プロジェクトの基本方針です。

【成果】フレームワーク構築"数日"、プロト高速実装 ― 生成AIが変えた開発スピード

Claude Codeの全面活用により、開発プロセスは劇的に変化しました。
最新トレンドのフレームワークや開発環境を、わずか数日で構築することに成功。従来であれば数週間から数ヶ月を要していた基盤整備が、驚くほど短期間で完了しました。
プロトタイプレベルの成果物であれば、アイデアから実装まで極めて短時間で実現できるようになり、試行錯誤のサイクルを高速で回せる環境が整いました。
未経験の技術スタックでありながらR-Boardのプロト版が形になったのは、この圧倒的なスピードがあったからこそです。DX推進において「まず試す、素早く検証する」というアジャイルなアプローチを実現する上で、生成AIは極めて強力な武器になることを実感しました。
なお、生成AIが生成したコードについては、設計意図との整合性やセキュリティの観点から開発チームによるレビューを実施しており、「速さ」と「品質管理」の両立に取り組んでいます。



【課題】コードは動く、しかし理解できない ― チーム開発で顕在化した"新しい壁"

一方で、生成AIを活用した開発には予想外の困難も伴いました。
- 理解の追いつかない速度
生成AIが作り出すプログラムの細かい処理を、人間が理解し切れないという問題に直面しました。コードの生成速度に、開発者の理解が追いつかないのです。
これは個人の能力の問題ではありません。生成AIは膨大なコードを瞬時に出力しますが、そのロジックを人間が咀嚼し、判断し、責任を持つには相応の時間が必要です。速度と理解のギャップは、ツールが高性能になるほど広がるという、構造的な課題でした。
- チーム開発における壁
プロジェクトは決して一人で完結するものではありません。各メンバーや協力会社への作業指示、技術的な説明が日常的に求められます。
しかし、開発者自身がプログラムの細部を十分に理解できていないため、的確な指示を出すことが困難でした。結果として、チーム全体の連携がスムーズに進まない場面が多々発生。メンバーや協力会社からの技術的な問い合わせに対しても、即座に答えられないケースが増加し、プロジェクト管理上の大きな課題となりました。
「自分が書いていないコード」をどうマネジメントするか。これは、生成AIを活用する開発現場が今後必ず向き合うことになるテーマです。

【DX推進への示唆】BIツールも生成AIも、課題の構造は同じだった

今回の開発経験を通じて、私たちはひとつの確信を得ました。
「理解なきスピードは、機能しない。」
BIツールの導入現場で起きている「数字は見えるが、何をすればいいかわからない」。生成AI開発の現場で起きた「コードは動くが、なぜ動くのかわからない」。両者は根本的に同じ構造を持っています。
DX推進に携わる方々にとって、この構造的な課題は日々の業務と地続きのはずです。新しいツールの導入を検討する際、スピードや効率化だけでなく、「現場が理解し、活用できる状態をどう設計するか」という視点が欠かせません。
R-Boardのプロト版(※2)が「データを見る→次の一手を考える」までを支援する機能を備え、サービス開始前にお役立ち情報コンテンツを先行公開する(※1)という判断に至ったのも、まさにこの実体験が原点です。ツールを渡すだけでは現場は変わらない。理解と活用を同時に支援して初めて、DXは前に進むと考えています。



まとめ:生成AI導入を検討するDX推進担当者へ

R-Boardの開発を通じて得られた知見を、3つのポイントに整理します。
- 生成AI(Claude Code)は、未経験領域でも圧倒的な開発スピードを実現する。「まず試す」を可能にする強力なツールである。
- 一方で、AI生成コードの理解とチーム連携には新たな課題が生まれる。導入後の「活用設計」を事前に検討する必要がある。
- このリテラシーギャップは、BIツール・RPA・生成AIなどDXツール全般に共通する構造的課題であり、ツール選定だけでなく「理解の設計」こそがDX推進の鍵となる。

R-Boardは、生成AIによる実装スピードと、業務システム開発の専門企業として積み重ねてきた設計品質の両面を強みとして、2026年春のサービス開始に向けた開発を継続してまいります。
※1 AI経営ツール「R-Board」、サービス提供に先駆け ~サービス開始前に「知識」をお届け。現場のデータ活用リテラシー向上を目的とした「お役立ち情報」コンテンツを製品特設ページで新たに公開~
※2 経営判断は"見る"から"決める"へ。意思決定まで支援するAI経営ツール「R-Board」プロト版が完成

【製品概要】

製品名:R-Board(アールボード)
提供開始予定:2026年春
製品特設ページ:https://www.rboard.jp/
お役立ち情報ページ:https://www.rboard.jp/column/



AI経営ツール

【会社概要】

会社名:オーエムネットワーク株式会社
所在地:新潟県新潟市中央区
代表取締役:山岸真也
事業内容:業務システム開発、シフト管理システム「R-Shift」、勤怠管理システム「R-Kintai」
提供Web:https://www.omnetwork.co.jp/



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