新潟日報社(新潟市中央区)は6日、県、新潟市、新潟商工会議所と同社で構成し、同社が事務局を担う一般財団法人新潟博覧会記念財団(代表理事・花角英世知事)の資金を私的流用していたとして、2025年3月まで同社読者局で部長を務めていた60代の男性再雇用嘱託社員を懲戒解雇したと発表した。処分は5日付。私的流用が確認された資金は全額返済されている。

 この元社員は21年4月から25年3月まで、読者局ふれあい事業部で部長を務め、同財団の運営を担当していた。22年から23年にかけ、およそ30回にわたり財団の銀行口座から無断で現金を引き出し、少なくとも計550万円を着服した。親族の医療費や自身の生活費補てんに充てたという。また法律で定められた役員変更の登記手続きも怠っていた。昨年3月に定年退職により、別部署に配属となった。

 26年1月中旬、元社員の後任の部長が財団の登記手続きを進める中で、24、25年の登記変更が行われていない事実を確認。直ちに社内調査を実施したところ、不正な資金の引き出しが発覚した。新潟日報社は既に、県警に通報している。

 新潟博覧会記念財団は、1983年開催の新潟博覧会の剰余金を活用して84年に設立。歴代の知事が代表理事を務め、県経済の発展に貢献する企業団体を顕彰する「新潟県経済振興賞」の選定と表彰を行っている。

 元社員は22、23年ともに会計年度末(12月末)までに全額を口座に戻していた。期末の帳尻を合わせたり、監査の際に虚偽の報告をしたりすることで、毎年の監査を通していた。流用総額は今後の調査によってさらに増える可能性がある。

 また一般財団法人に関する法律によると、定められた登記を怠った場合、その代表理事などが百万円以下の過料に処される。

 新潟日報社は管理責任を問い、読者局の小林真一・執行役員読者局長を出勤停止7日間とした。5日付で処分。統合営業本部長の石山真・常務取締役CMOと読者局担当の石垣裕取締役はそれぞれ役員報酬の10分の2を3カ月間、自主返納する。

◎林康生・新潟日報社代表取締役専務の話 元社員が不祥事案を引き起こし、新潟博覧会記念財団の評議員各位、新潟県、新潟市、新潟商工会議所をはじめ、県民のみなさまに深くおわびします。再発防止の徹底に向け、出入金事務の厳正化、社員のコンプライアンス意識の向上、内部監査の強化などに取り組んでまいります。あわせて全社を挙げて信頼回復に努めてまいります。