
2024年6月5日、新潟工業高校柔道部3年生の男子生徒が自ら命を絶った。監督だった男性教諭から度重なる𠮟責(しっせき)を受けていた。母親(50)は命日を前に「『𠮟責』という言葉だけでは伝わらないことがある。何があったのか知ってほしい」と新潟日報社の取材に応じた。
県教育委員会の第三者委員会は、監督による指導を主たる契機とする「指導死」と認定した。母親は第三者委員会の調査に感謝を示す一方、明らかにされた事実などを踏まえ「息子は何も悪いことをしていない。なぜ、ここまで追い詰められなければいけなかったのか」と監督や学校への募る憤りを語った。
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※以下語り手は母親
息子は4歳上の姉が剣道をしていたこともあり、保育園の年中ぐらいから剣道をしていました。礼儀作法などに厳しい教室でしたが、先生の愛情のあるご指導のおかげで、たくましく成長しました。常に真剣にぶつかっていくので、先生や周囲の方々からもかわいがってもらっていたと思います。
思いを語る母親
中学校に入ると剣道部がなかったので、柔道部に入りました。柔道も大好きになり、一生懸命打ち込んでいました。責任感が強くて、友達思い。男女関係なく仲良くて、相談に乗ってあげるような子でした。
高校入学後も、柔道の話はよくしてくれました。特に1、2年生のころは「先輩とラーメンを食べに行った」とか、先輩とふざけている動画をみせてくれたりとか。「よかったな」と思っていました。
ただ、3年生になると話すことが減りました。これは息子だけでなく3年生に対して、監督からのプレッシャーが強くなっていたからだと思います。
◆6月2日から5日までに何があったのか
2年前の6月2日の県総体は上越市で行われ、私は娘(男子生徒の4歳上の姉)と一緒に応援に行きました。帰りは私が運転する車で帰宅し、助手席に娘、後部座席に息子が乗りました。
息子は帰りの車の中で、部活を「やめたい」と言っていました。監督にすごく怒られたと。
大会や合同練習などがあると、柔道部ではノートに感想を書かせていました。2日の夜も息子は自分の部屋で書いたようです。それを見ると「もう1回頑張ろう」と、前向きな思いが書いてありました。
北信越大会に向けた決意がつづられた柔道ノート。監督からは書き直しが命じられた(画像の一部を加工しています)
3日も、いつもと変わらない様子で学校に向かったので「気持ちを切り替えて、頑張っていくんだな」と思っていました。彼が追い詰められているとは分かりませんでした。
3日の夜、帰宅した息子は「朝、謝りに行ったけど、聞いてもらえなかった。相手にしてもらえなかった」と言っていました。それでも4日の朝も、普段と変わらずに部活に向かったんです。
◆4日の放課後にあったこと(報告書の概要より)
| 時間 | 場所 | 事実関係 |
|---|---|---|
| 15:30以降 | 格技場 |
監督は着替え中の部員にプリントを配布。 この際、当該の生徒に試合内容について言い、 𠮟責(しっせき)と謝罪が繰り返される。 |
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小体育館の バドミントンコート上 |
部員は格技場から小体育館に移動。 監督が当該の生徒を呼び、監督と生徒が向き合い、 その周辺を部員が扇形で囲むような形で指導。 |
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小体育館の 別の場所 |
監督は当該の生徒ら4人を呼び、立ったまま話す。 その後監督と生徒だけが残ったまま話が続く。 この際の声は、4人で居たときよりも大きかった。 監督が怒ったまま移動し、生徒が追った。 |
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小体育館から 離れた場所 |
小体育館を離れた監督が(報告書では黒塗り)に入り、 それを生徒も追って入った。 その場所にいた別の教諭は、 監督のドアの開け方や入室の様子から、 かなり怒っていると感じた。 他の教諭は退室し、 この場は監督と生徒だけになった。 このときの指導は大声、早口で、 突き放す感じだった。 |
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| 16時ごろ | 小体育館 |
剣道部員が足の踏み込みの練習を開始したところ、 その音にいらだった監督が(報告書では黒塗り)から 出てきて、怒鳴った。 小体育館にいたバドミントン部員にも 大声で問いただした。 いずれも小体育館に響き渡るほどの大声だった。 剣道部員はその場にいられなくなり退去。 剣道部顧問も事態を把握。 柔道部監督から、 柔道部は北信越大会が控えているため、 剣道部は他の場所で練習するよう求めた。 剣道部はこの日以降、 小体育館で練習を行わなくなった。 |
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16:20ごろ
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部員が練習していたところ、 道着に着替えた監督が現れた。 畳の上に立ち練習を一時中断させ、 生徒に大きな声で(報告書では黒塗り)などと言った。 練習は再開されたが、 場の空気は重苦しく、 他の部員は払拭しようと普段以上に大きな声を出した。 練習中監督は生徒に声をかけず、 指導もしなかった。 |
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(生徒の様子)終始暗い表情で、 これまでに見られなかったような消極的な態度を示していた。 声出しもせず、動きにも力が入らず、 うつむいたままであったり、 どこを見ているか分からなかったりするような 様子だった。 |
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18:30ごろ |
練習終了後、生徒は格技場で着替えながら泣いていた。 |
4日の帰宅後...











