新採用の職員を代表して花角英世知事から辞令を受け取る福祉保健総務課の長谷川楓真さん=1日、新潟市中央区
新採用の職員を代表して花角英世知事から辞令を受け取る福祉保健総務課の長谷川楓真さん=1日、新潟市中央区

 新年度が始まった1日、県内の多くの企業で入社式が行われ、新社会人が期待を胸に新たな一歩を踏み出した。企業側は会社に愛着を持ってもらおうとユニークな企画で新人を歓迎。若者の県外流出や離職が課題となる中、「新潟に貢献したい」と県内企業を選んだ新入社員の姿もあり、企業は新人に寄り添いながら自社の特徴や文化を伝えた。

 「何事にも自信を持って挑戦してください。いつも応援しています」

 印刷・販促企画のタカヨシ(新潟市江南区)の入社式では、7人の新入社員が自身の親からの手紙を読み上げた。会社が事前に準備したサプライズ企画だ。

 手紙には、幼少期や学生時代の部活動でのエピソードなどとともに、わが子の門出に向けたメッセージがつづられていた。親からの温かい言葉に触れ、思わず涙ぐむ新入社員もいた。

新入社員が親からの手紙を読み上げたタカヨシの入社式=1日、新潟市江南区

 宮城県出身の工藤梨帆子さん(22)は「緊張していたが、手紙を開いたら父の字が目に入って励まされた。これから楽しく前向きに仕事をしていきたい」と語った。

 タカヨシでは、10年以上前から入社式で手紙の披露を行っている。事前のやり取りにより、新人の家族にも会社の雰囲気を知ってもらえる利点があるという。高橋佑社長は「社員は家族同然。人生の転換期となる入社式が、これまで育ててくれた親に感謝する機会となってほしい」と話した。

新入社員が親からの手紙を読み上げたタカヨシの入社式=1日、新潟市江南区

 スーパー原信などを展開するアクシアルリテイリング(長岡市)には、68人が入社。新入社員は入社式の前に、ビニールエプロンを身に着け、原信の看板商品「手造りおはぎ」作りを体験した。先輩社員から見た目や食感へのこだわりなどを説明してもらい、商品開発の奥深さを学んだ。

新入社員が看板商品のおはぎ作りを体験した、アクシアルリテイリングの新入社員歓迎イベント=1日、長岡市

 津南町出身の山田裕人さん(22)は「実際にやってみて商品作りの大変さを知った。地域の人に笑顔でありがとうと言ってもらえるよう、小さなことを積み重ねていきたい」と気持ちを新たにしていた。

 住設・暖房機器製造のコロナ(三条市)には38人が入社した。

コロナの入社式=1日、三条市

 入社式で答辞を読み上げた新潟大大学院修了の小柳洸平さん(24)=加茂市出身=は、友人の多くが首都圏などに就職する中、自分の適性などを見極めて地元就職にこだわったという。「小さい頃から石油ストーブは身近な存在で、雪国の生活を支えてくれた。今度は自分が支える側になりたい」と意欲を見せた。

コロナの入社式=1日、三条市

 県内では近年、多くの企業で若手社員の早期離職をどう防ぐかが課題となっている。コロナでは、就活中の学生と20代社員の面談を設定し、内定前に職場の雰囲気など社内の様子や情報が伝わるようにしている。

 コロナの担当者は「入社後に思っていたのと違うと、離職に至ることを防ぐ目的もある」と説明。働きやすさの向上に取り組み、若年者向けの研修も充実させていく方針だ。 

◆「若い世代に新潟県を選んでもらえるように」

 県は2026年度、前年度よりも16人多い396人を採用。...

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