
鑑賞後の生徒たちに声をかけたり、手を振ったりして見送るSPACの出演者たち=静岡市の静岡芸術劇場
昨年末に新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)の専属舞踊団「Noism Company Niigata(ノイズム)」の金森穣・芸術総監督(51)が退任意向を表明してから、3カ月が過ぎた。今なお舞踊団の存続は見通せない状況が続く。ノイズムはこれまでも、世界的な評価を受けつつ存続問題が浮上してきた。先進地の事例などを基に、高い芸術性と地域貢献の両立、公共劇場の在り方について考え、文化をまちに根付かせるには何が必要なのか探る。(3回続きの3)
<中>ノイズムの「価値」新潟市民にどれだけ浸透?芸術的評価と比例せず
3月上旬、静岡芸術劇場(静岡市駿河区)を浜松市にある中学校の全校生徒約200人が訪れた。鑑賞したのは、公益財団法人「静岡県舞台芸術センター」(SPAC)の「ガリレオ〜ENDLESS TURN〜」。ベルトルト・ブレヒトの戯曲を原作とし、台本制作に生成AIを活用した新作だ。科学と人間の関係を問いかける舞台を、生徒たちは身を乗り出すように見詰めた。
SPACは1995年に設立した「県立劇団」。東京ドーム4個分の敷地に稽古場や野外劇場を備える「舞台芸術公園」と、東静岡駅前の「静岡芸術劇場」を専用で使い、作品ごとに契約する約40人の俳優と制作や舞台技術を担うスタッフ約30人が「世界に通用する作品づくり」を担う。
芸術総監督を務める演出家の宮城聰(さとし)さん(67)は2007年の就任以来、高い芸術性の維持と同時に、...
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