できるだけ淡々とニュースを語ろうと心がけているが、伝える中身によって感情を揺さぶられることは避けられない。VTRをスタジオで見ながら(つまりは自分が画面に映っていないところで)、ため息をついたり、目頭を熱くしたりするのが常だ。

 京都府南丹市に住む小学5年生、安達結希さんが行方不明となった事件は世間の耳目を集めた。結希さんの写真を見るたび、彼が「早く捜し出してほしい」と訴えているように感じてきたが、遺体で発見された後は、「早く真実を伝えて」と懇願されているような感覚になった。

 そして事態は急展開し、結希さんの父親が死体遺棄の容疑で逮捕された。行方が分からなくなった3月23日の朝、小学校に車で結希さんを送り届けたと警察に話していた当の本人である。父親は容疑を認めているというのが警察の発表だが、死因や、離れた場所でリュックやシューズが見つかった経緯など、謎はあまりに多い。人懐こくて昆虫好きだった11歳の少年の命がなぜ失われ、山林に遺棄されなければならなかったのか、...

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