第9弾 新潟市

霧島れいかさん ドライブ・マイ・ニイガタ

<4> 歴史に酔う編
豪農の庭園「絵のよう」 一杯に感じた伝統の技

新潟日報 2022/07/09

 故郷新潟市各地を車で巡ってきた俳優の霧島れいかさん(49)。最終回は豪農の歴史や酒造りに触れ、コメどころ新潟を体感して締めくくりたい。

 訪れたのは越後随一の豪農の館で、国の登録有形文化財「北方文化博物館」(江南区沢海2)。全盛期に約1370万平方メートルもの田畑を所有した大地主・伊藤家が、明治時代に建てた豪壮な大邸宅が保存されている。

絵画のような美しさを誇る北方文化博物館の庭園。霧島れいかさんもうっとり=新潟市江南区沢海2
絵画のような美しさを誇る北方文化博物館の庭園。霧島れいかさんもうっとり=新潟市江南区沢海2

 副館長の佐藤隆男さん(71)の案内で、霧島さんは茶の間や廊下を通り、100畳の大広間へ。冠婚葬祭など特別な行事に使われた大広間からは、手入れの行き届いた圧巻の庭園が見渡せる。雨上がりで、庭の木々やコケの緑も鮮やか。霧島さんは「うわー。おっきな絵を見ているようですね」と美しさに息をのむ。「ここまで素晴らしい庭はなかなか見られない。両親を連れて、また来たいです」とほほ笑んだ。

 3月の米アカデミー賞授賞式でレッドカーペットを歩いた霧島さん。「やっぱり畳は落ち着きますね。日本人なので畳の方が好きです」と飾らない笑顔を見せた。

 旅の最後はお待ちかねの地酒。訪ねたのは今代司酒造(中央区鏡が岡)だ。

 JR新潟駅から徒歩約15分の近さで、120年ほど前の建物を利用する蔵は、無料で見学できる。直売店も併設しており、試飲が楽しめるのもうれしい。

うれしそうに法被をまとう。とってもお似合い=新潟市中央区の今代司酒造
うれしそうに法被をまとう。とってもお似合い=新潟市中央区の今代司酒造

 広報課長の中島恵美子さん(42)の案内で、醸造用タンクや大きな木おけが並ぶ蔵の中を見て回る。昔の酒造りで使われていた木製の道具や古い看板など、蔵人の思いが詰まった品々を興味深そうに眺めた。記念撮影のため今代司酒造の青い法被を着ると、そのままコマーシャルに出られそうだ。

 見学を終えた後は、試飲コーナーへ。人気の辛口純米酒をおちょこにつぐ。一口含み「辛口でとてもスッキリ。口当たりがよく、たくさん飲めちゃいますね」といたずらっぽく笑った。

 「伝統を大切に守りながら造る日本酒は、今や世界各国で飲まれている」と霧島さん。「新潟で生まれ、日本人で良かったと誇らしい気持ちになりました」。旅の「クランクアップ」を美酒でお祝いした。

霧島れいかさんの旅が動画で見られます。
【動画】霧島れいかさん ドライブ・マイ・ニイガタ

■北方文化博物館
住所:新潟市江南区沢海2-15-25
電話:025-385-2001
■今代司酒造
住所:新潟市中央区鏡が岡1番1
025-245-0325