第9弾 新潟市

霧島れいかさん ドライブ・マイ・ニイガタ

<5> 特別編
故郷と「再会」 良さ実感 映画県内ロケ行けず「残念」

新潟日報 2022/07/13

 新潟市出身の俳優、霧島れいかさん(49)が市内を車で巡った連載企画「ドライブ・マイ・ニイガタ」。故郷の自然や歴史、食との「再会」に、飾らない笑顔を見せた。今回は特別編として、主人公の妻役で出演し米アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」の撮影裏話を紹介。2日間のドライブ旅も振り返った。

地酒を試飲する霧島れいかさん。「やっぱり新潟のお酒はおいしい♪」と満面の笑み=新潟市中央区鏡が岡の今代司酒造
地酒を試飲する霧島れいかさん。「やっぱり新潟のお酒はおいしい♪」と満面の笑み=新潟市中央区鏡が岡の今代司酒造

 霧島さんは4歳まで新潟市で暮らし、父の転勤で県外へ。高校卒業後、会社員を経てモデルとして活動。25歳で俳優を目指して上京し「ノルウェイの森」(2010年)など多数の映画やドラマに出演している。

 「ドライブ・マイ・カー」で演じたのは主人公(西島秀俊さん)の妻、家福かふくおと。秘密を残したまま突然、この世を去ってしまうミステリアスなキャラクターだ。

 物語の鍵を握る役柄だが、演じる苦労はなかったのか。「この作品はリハーサルをしっかりしたんです」と霧島さん。「濱口(竜介)監督や共演した西島さん、岡田(将生)君と、いろいろ話し合いながら、役作りをした。それを本番に生かし、自由にやらせていただいた」と振り返る。

 映画の前半は西島さんとのシーンが多く、2人の官能的な場面も描かれた。

 主役の西島さんについては、「雰囲気をつくってくださるのがうまいので、とてもやりやすかった。役になりきる方なので合わせやすく、息も合った。お芝居の好みが似ているのかもしれない」と話す。

 「ドライブ・マイ・カー2」の制作予定はあるのだろうか? こっそり聞くと「(続編は)難しいでしょうね。でも実現したらうれしい」と期待を寄せた。

 さて、2日間の新潟ドライブ旅。濱口監督や西島さんらにお薦めしたいスポットは? 「たくさんありすぎて悩みます。北方文化博物館や旧笹川家住宅も喜んでくれそう。今度会ったら報告します」と話し、「特に西島さんは新潟のお酒も好きだと思います!」。

広大な旧笹川家住宅。大庄屋の風格を感じながら、ゆっくり散策を楽しむ=新潟市南区味方
広大な旧笹川家住宅。大庄屋の風格を感じながら、ゆっくり散策を楽しむ=新潟市南区味方

 次は両親とゆっくり訪れたいという霧島さん。映画では上越市の「コメリハード&グリーン上越国分店」駐車場や、糸魚川市の親不知海岸沿いの国道8号などでロケが行われた。「でも私は行ってないんです」と残念がり、「次は上越や糸魚川に行き、コメリもちょっとのぞきたい」と早くも旅行プランを練っていた。

 来県は2016年の新潟日報「おとなプラス」のテレビCM撮影以来、6年ぶり。久々の新潟の景色に「新潟駅が変わったけれど、変わらない魅力もいっぱいあった」という。

 「新潟の良さをあらためて知ることができて、感激した」。明るくて優しい人たちが多かったという。

 映画の印象とは違い気さくな霧島さん。「新潟で生まれて良かったと誇らしい気持ちになった。とても幸せでした」。満面の笑みで故郷を後にした。

霧島れいかさんの旅が動画で見られます。
【動画】霧島れいかさん ドライブ・マイ・ニイガタ