
能登半島地震で亀裂が生じた五十嵐家住宅の上手蔵(阿賀町教育委員会提供)
元日の能登半島地震により、新潟県阿賀町豊実の国指定重要文化財「五十嵐家住宅」では、主屋や土蔵の壁などに亀裂や破損が複数発生した。2022年の県北豪雨からの保存修理工事が進められている中、被害の範囲が拡大した格好だ。町教育委員会などは雪解けを待って詳細な調査を行い、今後の対応を検討する。
阿賀野川の支流、実川沿いの山奥に位置する五十嵐家住宅は主屋と上手蔵、下手蔵の二つの蔵からなる。山村農家の生活を伝える建物がそろい、後世の改修が少ない状態で受け継がれたことが評価され、1991年に国指定重要文化財となった。
2022年の県北豪雨では、土砂崩れで1759年築の主屋の半分が引きちぎられるように流され...
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