レカネマブの1回目の投与を終えた男性患者=新潟市西区の信楽園病院
レカネマブの1回目の投与を終えた男性患者=新潟市西区の信楽園病院

 認知症のアルツハイマー病新薬「レカネマブ(製品名レケンビ)」による治療が新潟県内で2月から本格化している。病気の原因物質を除去することで進行の抑制を狙った初の認知症薬で、患者にとっては光明だ。ただ、高額な薬価や2週ごとの通院など患者側の負担は大きい。治療ができる県内の医療機関も少ない中、早期受診につなげる地域医療体制の整備が急がれる。(報道部・種岡郁江)

 「長年連れ添った夫の記憶がなくなるのは恐怖だった。病気がこれ以上進まず、今の状態で暮らせたらそれでいい」。2月上旬に夫(77)がレカネマブの投与を始めた新潟市西区の女性(74)は、声を震わせ胸の内を明かした。

 1年半ほど前、夫の異変に気づい...

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