「医師の働き方改革」が2024年4月に始まる。新潟日報社は新潟県内の病院にアンケートを実施し、医師不足の中で改革を進めていく難しさに戸惑う医療現場の実態が克明となった。改革による影響は各病院の運営にとどまらず、地域全体の救急医療体制にも波及する可能性がある。24年1〜2月に県内117病院を対象に実施したアンケート調査(77病院が回答、回答率65・8%)の結果を詳報する。(5回続きの5)

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 新潟県の3次医療圏を支え、高度医療を担う新潟大学医歯学総合病院。研究や教育機関の拠点である大学病院は、一般的に長時間労働につながりやすい実態がある。4月から始まる医師の働き方改革に向け、新潟大病院はどのような取り組みを進めているのか。冨田善彦院長(64)に聞いた。

新潟大医歯学総合病院の冨田善彦院長

-医師の時間外・休日労働を抑えるために取っている対策は。

 「夜間・休日の勤務態勢は、一部を除いて...

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