J1アルビレックス新潟は第19節川崎戦を終え、15位で2024年シーズンのリーグ戦を折り返した。通算成績は5勝6分け8敗の勝ち点21。「てっぺん」を目指して始まったシーズンはここまで、勝ち切れなかった試合も多く、下位に沈む。リーグ公認の競技データ「J STATs」による数字から前半戦を振り返った。(運動部・片野透、野上貴)

 前半戦は後手に回る展開が相次いだ。先に失点する「被先制試合」は19試合中14試合と、J1の20チーム中で最多。総失点も29とワースト6位だ。

 前半戦は無失点が2試合と、安定しなかった。3月に主力のDF新井直人が広島へ完全移籍し、4月以降はDF堀米悠斗らけが人が相次いだ。リーグ戦以外にカップ戦などもある過密日程の中、やりくりに腐心したが、昨季終盤に見せていた堅守はほころんでいる。

 特に、ゴール前で崩される場面が目に付いた。失点パターンのうち「30メートル未満でのパス」からが6失点あり、J1で4位タイ。昨季はクロスからの失点が目立ったが、今季はセットプレーからの失点に次ぐ多さだ。先制された22日の川崎戦も前半17分、パスをつながれた流れを断ち切れなかった。「前半をゼロで終えることで、さらに自分たちらしく戦える」とDF舞行龍ジェームズ。守備の安定が後半戦で躍進の鍵となる。

最終盤に失点し、白星を落とした新潟。後半戦は失点をいかに抑えるかが鍵となる=6月22日、ビッグスワン

 攻撃面では、先制する試合は少なかったが、得点はコンスタントに奪った。チームは現在、12試合連続ゴール中。シュート数は平均9・3本と昨季の10・5本より少ないものの、総得点は25で11位とまずまずだ。

 今季はクロスを多用する...

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