新潟市内の液状化被害の調査結果を説明する卜部厚志教授(中央)ら=6月26日、新潟市西区
新潟市内の液状化被害の調査結果を説明する卜部厚志教授(中央)ら=6月26日、新潟市西区

 新潟大学災害・復興科学研究所は6月26日、能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。による新潟市内の液状化水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震による強い揺れで液体のように流動化する現象。地表に水や砂が噴出したり、地盤が沈下したりする。土管やマンホールが浮き上がることもある。埋め立て地や干拓地など、緩い砂質で地下水位が高い場所で起こりやすい。条件を満たせば内陸でも発生する。1964年の新潟地震では橋や鉄筋コンクリートの建物といった大型構造物が崩れ、対策工法の開発が進むきっかけになった。阪神大震災や東日本大震災でも発生した。被害をまとめた報告書を公表した。新潟大で会見した同研究所長の卜部(うらべ)厚志教授は、今回液状化した地域が1964年の新潟地震1964年6月16日午後1時ごろに発生した地震。新潟県沖から山形県沖に広がる断層が引き起こした。震源は粟島付近で、マグニチュードは7・5。新潟県内の最大震度は、当時の観測方法で震度5だった。新潟県の資料によると、県内の死者が14人、負傷者は316人。新潟市では液状化現象とみられる被害で県営アパートが倒壊し、完成したばかりの昭和大橋が崩落した。製油所の石油タンクで起きた火災が約2週間にわたって続いた。でも液状化したことを挙げ「ここまで広範囲に再液状化した事例は初めて」と強調。地下水位を下げるなど、次の液状化を防ぐ対策の必要性を訴えた。

 調査は1月に始め、目視で液状化被害の分布を確認し、ボーリングなどによる地質調査も行った。調査結果を...

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