閣議後会見で水俣病について話す伊藤信太郎環境相=7月9日、環境省
閣議後会見で水俣病について話す伊藤信太郎環境相=7月9日、環境省

 伊藤信太郎環境相は7月9日の閣議後会見で、新潟水俣病1965年、新潟県の阿賀野川流域で公式確認された。阿賀野川上流の鹿瀬町(現阿賀町)にあった昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場が、アセトアルデヒドの生産過程で生じたメチル水銀を含む排水を川に流し、汚染された川魚を食べた流域住民が、手足の感覚障害や運動失調などを発症する例が相次いだ。56年に熊本県で公式確認された水俣病に続く「第2の水俣病」と呼ばれる。に関し新潟県の阿賀野川流域で行う住民健康調査の開始時期について「明言できない」と述べた。8日に熊本県水俣市で行われた懇談会では不知火海沿岸(熊本・鹿児島)での健康調査を「2年以内をめどに開始する」としたが、新潟県での調査は別途検討する。

 伊藤氏は「(新潟県での調査は)遅くない時期にできるようにしたい。必要な機械や医師、検査技師(の確保)も含め、どのような形で行うかを研究班でもんでいる」と述べた。

 国立水俣病総合研究センターが健康調査に向け2022年に公表した、MRI画像と脳磁計データを使う検査手法には、患者団体などから実効性に疑問の声が上が...

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