
男子エペ個人決勝 フランス選手(左)からポイントを奪う加納虹輝=パリ(共同)
金メダルをたぐり寄せる15点目を挙げると、グランパレの観客席が静まりかえった。男子エペ個人決勝で、加納虹輝がフランスの大黒柱、ボレルを倒し、個人種目で日本勢初の金メダルを獲得。「フェンシングをやってきて良かった。自分の金メダルで君が代が聞けるとは思っていなかった」。競技の本場で快挙を達成し、歴史に名を刻んだ。
相手は一回り以上も体が大きな35歳のベテラン。3回戦で見延、準々決勝では山田が屈していただけに「3人目が負けるわけにはいかない」とエースの自覚を胸に臨んだ。武器のスピードを生かして飛び込み、攻めてくればカウンターで返す。剣の押し引きで崩してから一気に突くなど、技の引き出しも豊富。「思っ...
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