農業用具などが幅広くそろう「あぐりの蔵」の店内。地域や用途によって形が異なる鍬や鎌が並ぶ=三条市福島新田
農業用具などが幅広くそろう「あぐりの蔵」の店内。地域や用途によって形が異なる鍬や鎌が並ぶ=三条市福島新田

 新潟県の県央の企業は製造業を中心にショールームやショップ、カフェなど社屋にさまざまな機能がプラスされている。外観から異彩を放つ企業も多い。一般にも開放する健康重視の社員食堂、自前のミュージアム、検査棟などバラエティーに富む。本業に付随したりしなかったり。各社こだわりの「プラス1」を紹介する。

 鍬(くわ)や鎌をはじめ、農作業や家庭菜園向けの道具を中心に、さまざまなアイテムがずらりと並ぶ。農業用品などを扱う卸業「佐野利(さのり)」(三条市福島新田)が運営する展示即売所「あぐりの蔵」は、佐野利の社屋2階にある。豊富な品ぞろえに加え、フロア内には試し切りコーナーを設置。実際に使い心地を体感し、数々の商品の中から自分に合った品を選んでもらえることが強みだ。

農業用品などの卸業「佐野利」。社屋の2階に展示即売所「あぐりの蔵」がある=三条市福島新田

 あぐりの蔵は、「地域を訪れた人が立ち寄る観光の拠点をつくりたい」という構想のもと、2014年にオープン。農業用具からキッチン用品まで3500を超えるアイテムがそろう。本業は企業に対し卸売り販売を、あぐりの蔵は個人向けに販売を行っている。

「佐野利」が運営する展示即売所「あぐりの蔵」。農業用具やキッチン用品など3500を超えるアイテムがそろう=三条市福島新田

 「農家さんの道具を広く知ってもらうこともコンセプトの一つ」と、佐野利の専務取締役、佐野恭宏さんは語る。フロアの一角を占める鍬コーナーには、...

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