新潟県湯沢町が1995年から所有している約5万7千平方メートルの「中子町有地」(湯沢町土樽)について、町が総合食品メーカー「ワンワングループ」(本社・中国)の関連会社に売却する方針であることが2月6日、分かった。企業はマンション建設などを予定しているという。既に仮契約を結んでいる町は2月中にも町議会臨時会を開き、議決を経て本契約になる見通し。ただ、町議会議員(町議)の中でも賛否が分かれており、議会で財産処分の議案が可決されるかどうかは不透明だ。

 中子町有地は、関越道湯沢インターチェンジから1キロ未満の好立地。旧ノリタ光学のガラス製造工場が1987年まで稼働していた。その後、ツインタワーマンション計画などが持ち上がったが破綻し、町が95年に競売で約12億3千万円で取得した。

 96年に土壌汚染と廃棄物が埋設されていることが判明。2008年には「重粒子線がん治療施設」の誘致を進めるも、翌09年に断念している。湯沢町によると、土地取得費や調査費、土壌汚染対策工事費などに総額18億円以上を投じてきた。

 町は24年10月から町有地売却に関する公募型プロポーザルを実施した。その結果、ワンワングループの関連企業で、かつて湯沢パークホテル(湯沢町土樽)を運営していた「サクセスリゾート越後湯沢ホテル」(東京都千代田区)1社のみが応募した。

町の売却方針が明らかになった「中子町有地」(手前の雪原)=2月6日、湯沢町土樽

 湯沢町の幹部職員と識者らでつくる選定委員会が事業計画を審査し、合格と判断。町は売却価格...

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