東北電力が巻原発計画を白紙撤回してから12月で22年。旧巻町(新潟市西蒲区)角海浜の広大な計画跡地は、活用法が決まらぬまま、原野に戻りつつある。道路の一部は海岸浸食で崩落している。荒廃が進む跡地の「いま」を探った。また、かつて民間推進団体のまとめ役を務めた石田三夫さん(88)=元巻原子力懇談会会長=に「国策としての原発」への思いの変化を尋ねた。(論説編集委員・原 崇)
日本海沿いの国道402号(越後七浦シーサイドライン)から外れ、巻原発計画跡地に至る新潟市道(旧巻町道)に入り、歩いた。
進むと、波や風で何カ所も路面が削られていた。完全に崩落した箇所には、山側にかろうじて人が歩ける程度の迂回(うかい)路があった。
市西蒲区によると、当面、市道の復旧予定はないという。「一般市民の往来がなく、優先順位が低い」ためだ。
浜辺が広がる。かつては「鳴き砂の浜」と呼ばれ、踏むとキュッ、キュッと音がしたという。だが今は砂の量が減り、漂流物が散乱していた。崩れたアスファルトの残骸なども見えた。
県河川管理課によると、守るべき対象物がなく緊急度が低いとの理由から、浜辺も修復されていない。
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昔、東北電力の角海浜連絡所として使われた施設があった。...
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