第79回国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会「あきた鹿角国スポ2025」は最終日の2月16日、秋田県鹿角市の花輪スキー場で競技を行った。新潟県勢はアルペン大回転の少年男子で高橋陸都(関根学園高)が準優勝。距離の少年男子40キロリレーと、成年男子40キロリレーが3位で表彰台に上がった。
アルペン大回転の少年男子は高橋のほか、森尊(高田高)が4位。距離の女子20キロリレーは、昨年に続き5位だった。
新潟県の男女総合成績(天皇杯得点)は参加点を含めて136点で3位と、昨年から順位を二つ上げた。女子総合成績(皇后杯得点)は48点で、4位だった。
来年のスキー競技会は青森県などで行われる。
◆初の表彰台にも悔しさにじむ 高橋陸都(関根学園高)
国スポで自身初の表彰台となったが、喜び以上に反省の方が大きかった。少年男子大回転は高橋陸都(関根学園高)が準優勝。昨年の5位を上回り、「順位を上げたのは良かった。けど、良いスタート順を生かせなかった」と後悔を残した。
1番スタートの好条件だったが「雪のコンディションに合わせられなかった」と言う。硬いバーンの上に雪が残り、対応し切れないまま安定感を欠いた滑りとなった。「焦ってタイムが伸びなかった。下見の段階でもっと雪面状況を予測していれば…」と悔しがる。
「日本代表として世界で活躍できる選手になりたい」と思い描く高校3年生。国スポ以降も、3月に長野県で行われる全日本選手権などを転戦し、腕試しは続く。
今春に明大へ進み、さらなるレベルアップを目指す。「成年Aは速い人がたくさんいるけど、来年の(国スポ予選となる)新潟県選手権で上位に食い込みたい」。忘れ物を取り返すため、早くも来年の国スポを見据えた。
(運動部・野上貴、写真も)
◆森尊(高田高)は出遅れ取り返せず
少年男子大回転で4位入賞の森尊(高田高)は「インターハイの大回転で3位だったので、今回はいけると思って。優勝を狙っていたのに」と悔しがった。
初めて滑る花輪スキー場は「斜度や斜面変化が難しかった」。序盤に出遅れてしまい、以降は「後手後手のターンになってしまった」と振り返る。
今季は受験で練習時間が確保できず、本格的に競技に取り組んだのは昨年12月から。「いろんなコースを滑るという面で、今季はそれが足りていなかった」と敗因を分析した。
◆距離少年男子リレー 岡田龍介、区間1位で3位に貢献
全員が力を出し切った結果だった。距離の少年男子40キロリレーで新潟県チームは3位となり、表彰台に立った。2走で5つ順位を上げた岡田龍介(新井高)は「周りを気にせず、自分の滑りでつなげることができた」と胸を張った。
1走で後手を踏み、岡田龍は8位タイでスタート。慌てることなく、前半は突っ込みすぎないように進んだ。後半に加速すると、区間1位の滑りで3位に順位を上げた。3走は弟の幸輝(十日町高)。目標の3位以内を達成できるよう、「落ち着いて行け」と声をかけて送り出した。幸輝ら3、4走も力走し、表彰台を死守した。
岡田龍は昨夏、進学予定の大学の練習に参加し、上りの斜度によって動作を変える技術を学んだ。今回のコースは急な上りだったため、習得した通り、体を素早く動かすことを意識し、好結果につなげた。
国スポの少年部門での出場はこれが最後。「気合を入れて臨み、楽しいレースができた」と笑顔で締めくくった。
◆成年男子は頂点届かず、悔い残る
頂点を目指した成年男子40キロリレーの新潟県チームは、3位に終わった。トップで2走につないだ1走の宮尾祐司(高田自衛隊)は「優勝できるメンバーだっただけに悔しさが残る」と肩を落とした。
開始からトップ集団についていった宮尾。体力を温存しながら、周囲が勝負をかけても反応できる位置取りをキープした。2位で後半の2周目に入ると、自らスパート。「冷静に判断できた」というタイミングで抜け出し、首位に躍り出た。
流れに乗ったかに見えたが、2、3走が伸びあぐね、5位でアンカーの坂井冠太(専大)へ。力走で巻き返し、二つ順位を上げた。
表彰台には乗ったが、体力が持たなかったという坂井は唇をかむ。「1位を狙える位置でみんながつないでくれたので、優勝したかった」
◎女子20キロリレー5位の2走牧田鈴葉(十日町高) 昨年の5位を維持できて良かった。レースではペースを上げすぎず、自分の滑りをすることを意識した。区間1位のタイムが出せて自分の役割は果たせたと思う。
(運動部・村山穂波)
◆少年種別で躍進 競技の発展に期待=国スポ総評
国スポ冬季スキー競技会が閉幕し、本県は男女総合成績(天皇杯得点)は3位と、前回の5位から...