定食のご飯大盛りを無料で提供する「うめこまち」。備蓄米放出による米価の値下がりを期待する=3月10日、新潟市西区
定食のご飯大盛りを無料で提供する「うめこまち」。備蓄米放出による米価の値下がりを期待する=3月10日、新潟市西区

 政府備蓄米の入札が始まった3月10日、新潟県内の飲食店や小売店からは、コメの値下がりを期待する声が聞かれた。政府が備蓄米の放出を表明した後も、コメの値段は下がっておらず、関係者は、備蓄米がスーパーなどの店頭に並ぶ見通しの3月下旬以降の米価を注視している。

 新潟市西区の新潟大学近くにある飲食店「うめこまち」は、から揚げやカツなどボリューム満点のおかずが人気の定食屋さんだ。約40年間、学生の胃袋を支えてきた。

 ご飯は県産こしいぶきを使用。長らく大盛り無料を続けているが昨年10月、コメの高騰を受けてメニューの値上げに踏み切った。各定食は70円値上げし、定番の日替わりは800円に。

 店主の石栗隆雄さん(55)は「コメの価格が前年の1・5倍くらいになった。学生にとって70円の値上げは影響が大きく、お客さんが減った」と明かす。

 店では弁当も販売しており、こちらは値上げに加え、ご飯の量を若干減らした。おかずの量を減らした手頃感のある700円台のメニューを開発するなど工夫を重ねるが、野菜や肉も高くなっており、さらなる値上げの可能性も頭をよぎる。

ボリューム満点のメニューで有名な「うめこまち」。弁当も大人気

 今は春休みで学生客は少ないが、新年度には戻ってくる。石栗さんは「定食のご飯大盛り無料は続けていきたい。コメの値段はこれ以上、上がらないでもらいたい」と切に願う。

 一方、新潟市内のすし店。経営者は「備蓄米は...

残り287文字(全文:862文字)