
「映画は見て、自宅に持って帰り、心の中で深化して完成していく」と話す永瀬正敏さん=新潟市中央区
俳優の永瀬正敏さん(58)が原案・主演を務めた短編映画「いきもののきろく」が29日まで、新潟市中央区の新潟・市民映画館シネ・ウインドで上映されている。東京電力福島第1原発事故後を思わせる世界が舞台。永瀬さんは東日本大震災の被災者の言葉を胸に、プロット(構想)を練り上げた。「(被災者は)忘れられるのが一番嫌だと言っていた。震災を作品で残したい」と語る。
映画は、人がいない廃虚のような街で、ごみを拾っていかだを作る男のところに、1人の女(ミズモトカナコさん)が現れる物語。全編モノクロでせりふはない。
制作のきっかけは2013年。永瀬さんと井上淳一監督(59)が名古屋市のミニシアター「シネマスコー...
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