
旋盤に向かって木を削る家坂博さん。熟練の技が頼りにされている=見附市
伝統的工芸品の村上木彫堆朱(ついしゅ)は、木地作りの工程から始まる。それに携わる熟練の職人が、見附市の家坂博さん(85)だ。産地の村上市を含め、県内では非常に少なくなったとされる木工挽物(ひきもの)師。「年を取り、仕事も限界」と言うが、注文主からは「元気でいて、もっと続けてもらわないと困る」と頼りにされている。産地は職人の確保に課題を抱えている。(論説編集委員・山田孝夫)
挽物師は、ろくろや旋盤など回転する機械を使って木材を削り、おわんや茶入れ、家具類の脚といった丸い形の木工品を作る職人のこと。
家坂さんは中学卒業後、先代の父親から見よう見まねで学び、腕を磨いた。主に作ってきたのは、家具類の他、仏具や和楽器に使われる木工品だ。
村上市の堆朱会社からは40年ほど前から注文が増え、茶入れや香合(こうごう)、ぐい飲みなど小物を中心に形にしてきた。最近は、口当たりの良い曲線が特徴のぐい飲みの木地を製作した。
作業場では、戦前から使ってきた旋盤に木を取り付けて回転させ、ノミを当てて巧みに削っていく。木くずを上半身に浴びながらも気にすることなく、かくしゃくとした姿で作業する。
若い頃は夕食後も仕事をしたが、...
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