
めぐみさんがいたころの幸せを「絶対に取り返す」と強い覚悟で語る横田拓也さん=5月29日、川崎市
北朝鮮による拉致問題1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。が進展しない中、親世代の家族が存命中の解決に向け、拉致被害者家族会が懸命に活動している。4〜5月には訪米して米政府の要人らに協力を求めた。1977年に新潟市で拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の弟で家族会代表を務める拓也さん(56)に今の思いを聞いた。(新潟日報社拉致問題取材班)
-訪米の意義は。
「バイデン前米大統領は『戦略的忍耐』を貫き、米朝関係の動きがなかったが、トランプ大統領は意欲的だ。米国が北朝鮮政策を練っているさなかに訪米できたのはよかった。国務省のランドー副長官ら外交のキーマンに面会でき、米国が日本の拉致問題を真剣に捉えていると北朝鮮に訴えることがで...
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