
石破茂首相の退陣表明に伴う自民党の総裁選が告示され、5人が立候補した22日、値上がりによる家計圧迫に疲弊する県民からは、物価高への対策や国民目線での議論を望む声が多く上がった。派閥裏金事件を中心とする「政治とカネ」の問題などから信頼を失い、大敗した参院選の総括で「解党的出直し」を打ち出した党の新総裁には誠実な対応を求める意見もあった。
あらゆるモノの値段が上がる中、今後の論戦では物価高対策が注目される。上越市のパートの女性(53)は3世代で同居し「スーパーでは見切りの物を探して買い物をしている。家計が厳しい」と訴え、対象世帯を検討した上での給付金支給を望む。
立候補の顔ぶれは昨年の総裁選でも出馬した5人だ。上越市の無職女性(60)は「代わり映えしないメンバー」と不満を抱えながらも「国民が何を求めているのか分かってくれる人がいい」と力を込めた。

石破政権下では派閥裏金事件が解明されず、「政治とカネ」の抜本改革も進まなかった。長岡市の主婦(70)は「石破さんは本当に国民のことを考えているか疑問だった。不利になるからと『政治とカネ』に触れない議員もいるように感じる」と不信感を募らせ、「政治や国民に対する思いの強さを見たい」と語った。
自民は昨年の総裁選以降、衆院選と参院選で連敗し両院で少数与党となっている。党内で引責辞任を迫る「石破降ろし」が拡大し首相退陣につながった経緯がある。新潟市中央区の会社員女性(35)は「政策よりも内部争いが目立っていたこともあり、総裁選には興味が湧かない」と冷ややかに見る。
一方、総裁選の投票権がある党員は、党勢回復に向けリーダーシップを望む。
上越市の党員で無職の男性(73)は「党を再生させるにはある程度経験のある人がよく、政治の安定のため野党とも話ができる人がいい」と話す。長岡市の自営業男性の党員(70)は「石破さんの地方創生は具体的な動きが見えなかった。半導体産業も海外に押される状況になってしまった。目先だけでなく、100年先も考える人が出てきてほしい」と語った。
同じく党員で佐渡市の会社役員の男性(78)は「若い人の支持は参政党や国民民主党に流れている。保守性のあるリーダーの下で徐々に党が回復するといい」と期待した。
◆鍵握る地方票…新潟県内、前回は高市氏がトップ 自民県議団の考えは

22日に告示された自民党総裁選では、新潟県を含む全国の党員・党友による地方票の行方が鍵を握る。自民県議団からは党の信頼回復に向けて活発な論戦を望む声が上がった。
2024年の前回選では...