インバウンド誘客に関するセミナーで登壇した根津美保さん(左)と、張誌修さん=佐渡市両津夷
インバウンド誘客に関するセミナーで登壇した根津美保さん(左)と、張誌修さん=佐渡市両津夷

 インバウンド(訪日客)の波が全国に広がる中、佐渡でも新たな動きが生まれている。島の魅力に引かれて移り住み、訪日客に特化した旅行ビジネスを展開する人がいる。誘客の伸びしろがまだ大きい佐渡で、どんな未来を描き、挑戦しているのか。訪日客の心をつかもうと奮闘する3人の案内人を訪ねた。(3回続きの2)

<上>「酒蔵ツアー」で訪日客の心をキャッチ!再訪促す「酒サムライ」中村悦子さん

 200以上の島からなるパラオと、台湾の離島で20年以上、観光客と接してきた根津美保さん(46)。今春、祖父母ゆかりの地で思い出深い佐渡市山田地区に「孫ターン」し、台湾人の夫・張誌修(ジョージ・チャン)さん(42)と旅行会社「佐渡静時(じょうじ)」を立ち上げた。英語や中国語を生かし、台湾、香港からの誘客を図る。過去にオーバーツーリズムに直面した経験から、「佐渡では静かで心に刻まれる旅を届けたい」と思い描く。

 京都市出身。大学卒業後、パラオに渡り、世界最大級の...

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