
長崎原爆資料館=8日午前、長崎市
被爆80年の本年度を目標に進められ、1年延期された長崎原爆資料館の展示更新で、長崎市は設計の中間報告を前に、一部から見直しを求められていた南京事件に関する展示を続ける素案を示した。評価の声の一方、今の記述にある「虐殺」を使わない表現に反発もある。戦争の加害と被害をどう伝えるか改めて問われている。
▽見直し
「なぜ現状維持ではないのか。実態が伝わらない」。10月、同館運営審議会の小委員会を傍聴した被爆2世の崎山昇さん(67)は「多数の民間人や捕虜を殺害する南京事件」と表した市の案に懸念をあらわにした。
市は取材に、中高の教科書や外務省ホームページの内容を考慮したと説明。委員の識者は「中立的に専...
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