APEC首脳会議前に、台湾の林信義・元行政院副院長(右)とあいさつを交わす高市首相=10月、韓国・慶州(高市首相のXから)
 APEC首脳会議前に、台湾の林信義・元行政院副院長(右)とあいさつを交わす高市首相=10月、韓国・慶州(高市首相のXから)
 日中首脳会談を前に、中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市首相=10月、韓国・慶州(共同)
 中国の習近平国家主席(右から3人目)と会談する高市首相(左から2人目)=10月、韓国・慶州(共同)

 高市早苗首相は先月末の中国・習近平国家主席との初会談を乗り切り、対中外交を無難にスタートさせた。中国側が首相のタカ派色を警戒したのに対し、強硬姿勢を抑えて石破前政権の外交方針をおおむね踏襲したことが奏功した。ただ台湾を巡る首相の発信に、中国側は反発しており、火種は残る。

 ▽封印

 閣僚在任中に靖国神社参拝を欠かさなかった首相に、中国は習氏が首相就任の祝電を見送るなど不信感をあらわにしていた。首相は反発を抑えるべく、就任前の10月中旬、靖国神社の秋季例大祭への参拝を見送り、持論を事実上封印した。

 31日に韓国・慶州で臨んだ日中首脳会談で首相は、メディアに公開された首脳会談冒頭で台湾問題に言及せず...

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