自民党の新総裁に選出された高市早苗氏=10月、東京・永田町の党本部
 自民党の新総裁に選出された高市早苗氏=10月、東京・永田町の党本部

 戦後の長きにわたり政権を担ってきた自民党。結党70年の節目を迎える中、苦境にあえいでいる。昨年10月の衆院選、今年7月の参院選で大敗し1強体制は崩壊。新興勢力が台頭し、多党化が進む。高市早苗総裁(首相)は「保守回帰」で党再生を急ぐものの、保守一辺倒で政権を維持できたわけでなく、奏功するかどうかは見えていない。

 「『政治は国民のもの』で始まる立党宣言に立ち返ろう。今の綱領は『常に進歩を目指す保守政党』だ」。10月4日の総裁選。高市氏は決選投票前の演説でこう訴えた。

 自民は今、衆参両院とも少数与党という結党以来初の不安定な態勢で高市首相を支える。1990年代と2000年代の2度の野党転落に匹敵す...

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