記者会見する国際ろう者スポーツ委員会のアダム・コーサ会長=14日、東京都渋谷区
 記者会見する国際ろう者スポーツ委員会のアダム・コーサ会長=14日、東京都渋谷区
 夏季デフリンピックの選手数と参加国・地域数
 デフ陸上の世界選手権で男子400メートル障害のレースを走る高田裕士=2024年7月、台北(日本デフ陸上競技協会提供)
 デフ陸上男子の高田裕士=8月、東京都港区
 国際ろう者スポーツ委員会の大杉豊副会長=4日、茨城県つくば市
 ウジェーヌ・ルーベンスアルケー(全日本ろうあ連盟提供)

 15日開幕の聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」は、身体、知的、視覚障害の選手が参加するパラリンピックとは別の道を歩み、100年の歴史を刻んできた。ただ五輪・パラとの格差は大きく、国内の関係者は初の日本開催を機に、デフスポーツの地位向上をと期待する。

 ▽抑圧

 国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)の大杉豊副会長によると、デフリンピックの誕生は、抑圧された手話の歴史と密接な関わりがある。1880年、ミラノで開かれた国際ろう教育会議。「手話の使用よりも(口の動きを読み取り、声で発話する)口話を支持する」との決議がなされ、以来手話は長く、教育現場から排除された。

 こうした中、フランスのろう...

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