東京電力福島第1原発=2月
 東京電力福島第1原発=2月
 東京電力HDの連結純損益の推移
 東京電力管内の来夏の電力需給見通し

 東京電力は福島第1原発事故後、国の管理下に置かれた。第1原発の廃炉、経営再建、電力の安定供給―。政府と東電は柏崎刈羽原発の再稼働をてこに難局の打開を図るが、道は険しい。

▽福島第1原発の現状

 東京電力は福島第1原発の廃炉や賠償にかかる費用を賄うため、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を経営の最重要課題と位置付ける。工程表では2041~2051年の廃炉完了が目標。しかし鍵を握る溶融核燃料(デブリ)の取り出しは難航しており、目標見直しは不可避との声も上がる。

 デブリの総量は第1原発1~3号機で計約880トンと推計されている。どこにどれだけ、どのような状態で存在しているのか、全貌は分かっていない。作業は...

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