
(絵:100%ORANGE)
毎朝おきてすぐ、机にむかう。きのうたどり着いた一文を読みかえし、デスクペンを握りなおし、ひらいたノートに、そのつづきを書きつける。
あらたな一文を読みかえす。かんがえる。3分、5分、10分。デスクペンをとり、もう一文を書きつける。読みかえしてかんがえる。5分、10分、20分。
小説を書く時間は、動作としては、こんな風に過ぎていく。いたって地味。歌もおどりも、乗り換えも、熱いセールストークもない。はた目には、なんにもしていない。
以前、港町の家で書いていたとき、窓の外からこどもたちに、
「ねえ、しんじさん、カニとりいこうよ」
と大声でいわれ、顔をあげて、
「いま、仕事中やねん。働いてんねん」
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