
百日ぜきの治療について説明する千葉大の石和田稔彦教授=10月、千葉市
激しいせきが続く感染症「百日ぜき」の薬剤耐性菌が国内でまん延する実態が明らかになった。耐性菌は重症化リスクの高い乳児に対する治療の選択肢を狭め、現場の医師は対応に苦慮している。新たに使える薬剤を探る動きもあるが、専門家は、ワクチンによる予防に加え、周囲の家族の受診や早期治療の徹底が重要だと強調する。
▽乳児は高リスク
「インフルエンザのような高熱は出ない。せきだけでは病院へ行かず、普段通りに活動してしまう」。小児科医でもある千葉大の石和田稔彦教授(感染症学)は百日ぜきの対策の難しさを語る。
今年11月までの感染報告者数は、現行集計で過去最多の8万人を超え、感染者の中心は10代だ。重い症状が出...
残り903文字(全文:1203文字)











