
広島県呉市沖で水揚げされる養殖カキ=18日
栄養満点で「海のミルク」とも呼ばれる冬の味覚、カキに異変が起きている。全国一の生産量を誇る広島県の一部海域で8~9割が大量死し、水揚げ時期を迎えても出荷が見込めない状況が続く。海水温の高さが影響したとみられる大量死は瀬戸内海の他の産地でも確認され、国や自治体が対応に追われている。
「来年の分も死んでいる。どうすればいいのか」。広島県呉市の景勝地・音戸の瀬戸近くに養殖いかだを持つ水産会社ナバラの名原大輔社長(44)は途方に暮れる。普段なら出荷が本格化している11月中旬、ワイヤに連なったカキを海から引き揚げると、口が開いて中身のなくなったカキ殻が大量に姿を現した。
かろうじて生き残った個体も茶色...
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