
約700人が参加し、拉致被害者の早期帰国を願った「忘れるな拉致 県民集会」=11月15日、新潟市中央区
田中角栄元首相の圧倒的な政治力を支えた背景に優秀かつ忠誠心あふれた秘書チームの存在があった。その中のひとりに早坂茂三氏がいた。新聞記者出身の早坂氏はマスコミとの対応を任せられ、われわれ政治部の番記者との窓口でもあった。巧みな比喩を交えて語った角栄語録の数々は今も忘れることができない。ある時、冠婚葬祭が話題になった折に、早坂氏はこんなエピソードを披露してくれた。
「おやじさん(田中氏)が、いつも言っていることがある。結婚式は招待状がなければ出席できないが、弔いは別だ。誰でもお参りできる」
確かに新聞の死亡記事には通夜、葬儀の場所や日時が表記されるのが定番だ。これも不特定多数の読者への告知と言っていい。とりわけ政治の世界では弔問が特別の意味を持つ。...
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