大阪弁護士会館=11日、大阪市北区
 大阪弁護士会館=11日、大阪市北区

 当番弁護士制度の登録割合が低下している。大阪では数百人が登録を外れ、緊急事態を宣言したほどだ。登録割合が高い地方の弁護士会でも会員の高齢化が進み、危機感が増している。刑事弁護の改革を目的に産声を上げてから35年。背景には弁護士の刑事事件に向き合う姿勢が変化しているとの見方もある。「使命感」に頼っていた制度が限界を来し始めた。

 ▽低報酬

 「制度が危機にひんしています。あなたの助けが必要です!」。7月、大阪弁護士会の会員に「緊急事態宣言」と題したメールが出回った。登録者が3年間で約500人減り、日々の割り当ても厳しくなったとして登録を呼びかける内容だ。

 「こうなるのは想定内だった」と突き放すのは...

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