火災が起きた高層住宅近くで追悼の祈りをささげる人々。手前は周囲を警戒する警察官=2日、香港(共同)
 火災が起きた高層住宅近くで追悼の祈りをささげる人々。手前は周囲を警戒する警察官=2日、香港(共同)
 火災が起きた高層住宅群の外壁に残る防護ネット=2日、香港(共同)
 香港警察が1日公開した大規模火災で焼けた高層住宅の内部(香港警察提供、ロイター=共同)
 香港警察が1日公開した大規模火災で焼けた高層住宅の内部(香港警察提供、ロイター=共同)
 香港大規模火災の経過

 香港の大規模火災では、燃えやすい作業資材や防火設備の不備といった複合要因が重なり多数の犠牲者を生んだ。建設業界はコストを浮かせようと安全性を軽視、行政の監督体制もずさんで「救えた多くの命があった。人災だ」と怨嗟が広がる。責任を追及する声が高まる中、香港当局は市民を抑圧し中国の習近平指導部に「忠誠」を示す。

 ▽怠慢

 「小さな利益のために多数の人命が犠牲になった」。香港政府当局者は1日の記者会見でこう強調した。高層住宅群「宏福苑」の火災は外壁補修工事の防護ネットへの引火が原因とみられている。警察が過失致死容疑で逮捕した請負企業の幹部らを非難し「再発防止に努める」と訴えた。

 だがこの企業が同様の補...

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