
東京科学大戦略本部の江端新吾教授=9月、東京都目黒区の東京科学大
高度化する実験装置やデータを扱う技術職員は研究成果の質を左右する重要な存在だが、人材の減少が深刻だ。危機感を強める大学の中には人事制度を見直し、待遇改善やキャリアパス改革に乗り出す動きが出てきた。政府も能力を発揮できる環境づくりを急ぐ。
▽上位職新設
東京科学大は統合前の東京工業大だった2007年、技術職員が人事権を持つ新たな部局を設置するなど、組織と人事制度の改革を進めてきた。20年には「主幹技術専門員」と「上席技術専門員」という役職を新設。地位が上がれば大学の経営層に入る道も開けた。
「技術職員のミッションが不明瞭だった時代が続いていた。技術職員を続けた先に何があるのか示せていなかった」...
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