収穫期を迎えたコメ=8月、新潟県三条市
 収穫期を迎えたコメ=8月、新潟県三条市
 コメ相対取引価格と民間在庫量の推移

 コメ価格の下落を予測する事業者が増えている。今年は新米の収穫量が多いと予想されていたにもかかわらず、農業協同組合(JA)は農家からの仕入れ値を高水準に設定。販売価格の高騰と売れ行き鈍化の悪循環を招いた。過去に例がない規模でコメがだぶつく恐れがある。業界関係者には危機感が広がるが、コメの値下げに応じれば収益を圧迫しかねず、難しい判断を迫られる。

 ▽経営判断ミス

 「消費者が買える価格をはるかに超えている。農家への支払いをあり得ないほど上げたのが問題だ」。ある大手コメ卸売会社幹部は、JA側が2025年産の農家からの買い取り価格を、24年産と比べて一気に引き上げたのは経営判断ミスだとして、強い口調で...

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