トランプ米大統領=9月、ワシントン(ロイター=共同)
 トランプ米大統領=9月、ワシントン(ロイター=共同)

 第2次トランプ米政権は「国家安全保障戦略(NSS)」で、台湾の戦略的な重要性を明確に位置付け、中国の覇権拡大を抑止する姿勢を強く打ち出した。ただトランプ大統領は1月の就任後、台湾に冷淡で、来年4月の訪中を見据えて中国への融和的な態度も隠さない。新戦略との「言行不一致」に懸念が残る。

 ▽けん制

 「台湾は半導体生産で重要な地位を占める。その上、北東アジアと東南アジアの境目にも位置している」。NSSは台湾の地政学的な意味合いを強調し、武力統一の可能性も排除しない中国をけん制した。

 南西諸島と台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」のいかなる場所への侵攻も防ぐ軍事力を整備するとも説明した。その一環として...

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