村上大祭本祭の「帰り屋台」。ちょうちんに明かりをともした屋台が巡行した=2023年7月7日、村上市

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産となっている「山・鉾(ほこ)・屋台行事」に、村上市の「村上祭の屋台行事(村上大祭)」が追加登録されることが正式に決まった。毎年7月、市内では村上大祭が開かれ、「おしゃぎり」と呼ばれる屋台が城下町の面影を色濃く残す町を練り歩く。400年近く受け継がれてきた村上特有の屋台文化が世界に認められた。

◆「おしゃぎり屋台」どんな種類がある?巡行ルートは?

 村上大祭の見どころといえば、絢爛(けんらん)豪華な「おしゃぎり屋台」。村上城下の町人(ちょうにん)町の歴史をくむ19の町内ごとに屋台があり、毎年7月7日の本祭に計19台が練り歩く。久保多(くぼた)町を皮切りに、泉町まで巡行順が決まっている。

 屋台は、二つの車輪がある2階建てで、その構造から「二層二輪囃子(はやし)屋台」とも呼ばれる。1階は太鼓や鉦(かね)を奏でる「囃子台」。2階は神様が降臨して宿る所とされ、人形などを乗せる「飾り台」となっている。2階の「乗せ物」は、七福神や縁起物、中国の故事が題材となっている。町内ごとに彫刻や漆塗りの技術、乗せ物に特徴がある。

 各町内の屋台は、...

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